顧客事例
『業務効率化研修』 導入事例 - 伊藤忠商事株式会社様
伊藤忠人事総務サービス、河崎氏に、プロスタンダードに『業務効率化研修』を依頼した経緯とその効果について詳しく聞きました。
伊藤忠商事について
世界65ヶ国に約130の拠点を持つ大手総合商社として、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、保険、物流、建設、金融の各分野において国内、輸出入及び三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開しています。従業員数4,364名。 (2015年4月1日現在)
研修の実施概要
― 今回、伊藤忠商事では『業務効率化研修』をどのような背景で依頼しましたか。
伊藤忠商事は、組織長向けに、各組織の業務効率・生産性向上のための研修を実施することとし、そのプログラム開発と講師をプロスタンダード様に依頼しました。
研修の実施概要は次のとおりです。
※伊藤忠商事のエンゲージメントサーベイの結果を基に、弊社にてプログラムを提案ののち、伊藤忠商事と協議の上で確定。
業務効率化研修、実施の目的
― 『業務効率化研修』を実施した目的は?
背景に、伊藤忠商事で行っている「朝型勤務」があります。
2014年5月から正式導入された、残業ありきの働き方を見直すという、健康管理や効率的業務推進の観点で実施しているものです。
その後、残業時間の削減効果は出ていますが、現場の組織長には部下の業務量の管理も含め、今まで以上にアウトプットを出して、業務効率と共に生産性を上げることが強く求められています。
ではどうすればよいのか?
人事・総務部としては、朝型制度を導入し、20時以降の残業を原則禁止するなど、管理の強化を進めていましたが、社員向けに具体的に業務を効率化し残業削減に繋げるための支援策を打てておらず、各組織で業務効率化を推進している状況でした。
一方、現場の社員からは、業務効率を上げるためにはどうすればよいのか?具体的なヒントが欲しい、という声もたくさん上がっていました。
その流れを汲んで、毎年実施している組織長向け研修の中に、今回は業務効率化のプログラムを取り入れました。
部門長から現場へ
― 今回は組織長だけでしたが、まずは、現場の社員へという考えはなかったのですか?
当然、現場の組織員にも今回のような業務効率化の研修を受けてもらうという考えはありましたが、4,000人を超える社員全員が受講するのに必要なコストを考慮し、まずは、優先的に組織長である420名を対象としました。
従い、研修のプログラムについても、個人個人の業務効率化というよりは、組織長が組織運営上困っていることを解決してもらうということを念頭に検討しました。
本研修が好評だったこともあり、その後、伊藤忠向けの研修を請け負っている伊藤忠人事総務サービス㈱において、組織員クラスへの研修をプロスタンダード様に実施いただいており、今後の対象層の拡大を検討しているところです。
プロスタンダート社を知った経緯
― 今回の研修を依頼するにあたり、どのように弊社をお知りになりましたか?
朝型勤務を導入してから、業務効率化の研修を実施することはテーマの一つであり、パートナー選定のための情報収集を行っていましたが、プロスタンダード様を知った経緯としては、人事担当者向けのイベントであるHRカンファレンス様のHPで、若林様が登壇された記事を拝見したのがきっかけです。
その後、プロスタンダード様の会社HPも拝見し、連絡させていただきました。
プロスタンダード社を選定した理由
― 重要な位置づけの研修を実施するにあたり、プロスタンダード社を選んだ理由はどこにありましたか?
今回の研修は、受講者が組織長で、受講者の人数も当社の研修としては最大規模ですので、非常に気を遣うべき研修です。従い、組織長の立場になって考えて、惹きつけられる人物や研修内容であるかというのが肝心な部分でした。
組織長はとても忙しいので、内容に無駄がなく、一方で研修後にすぐに試せるものがあり、講師自身の人間的な魅力や面白みがそろわないと、満足度は上がりません。
その点において、若林様はこれまでの経験や知識が豊富で、話題の引き出しにも多様性を感じました。受け答えの柔軟性にも富んでおり、この方なら当社の組織長の要望にも対応して頂けると感じました。
候補会社を検討したときの「基準」
― 河崎様が各種研修を検討したときのステップや、「基準」について教えてください。
最初は、別の研修でお世話になっているベンダー様からご紹介を頂いたりしながら、リストアップを行って5社ぐらいに絞りました。
その後、各社様から具体的にご提案いただいた中で、面白そうだな・・・と思った2社様からデモンストレーションの機会をいただきました。
その中で見ていたのは、『講師の魅力とプログラムの内容の掛け算』です。
若林様のプログラムに盛り込まれているノウハウは、初めて聞くようなことも多く含まれており、それらを裏付ける、論拠や根拠が明確で納得のいくものでした。
組織長にも認められる人物的な魅力
― 河崎様が思う、なぜ、弊社の若林が組織長にも認められる人物と映ったのか、をお聞かせください。
評価1. 「アカデミックなバックグラウンド」
やはりプロの講師というと、元々プログラムが決まっていて、それをインプットした上で講義をして頂くことも多いと思いますが、若林様のプログラム内容は、ご自身が大学時代から経営工学を学んでいたアカデミックなバックラウンドを感じることができました。
評価2. 「事業会社での残業削減経験」
また、若林様が前職で残業削減プロジェクトを推進し、実績を出した経験があったのが良かったです。残業削減活動を全社的に展開するうえで、どのような困難があったり、押さえどころが何なのかをご存知でした。
評価3. 「業務効率化に特化した専門性」
そして、現在も業務効率化という価値を提供することを売りにして会社を経営されているわけですから、そういった部分で比べると、にじみ出るものが違いました。
これらが、説得力や迫力につながりますし、プログラム単独の魅力だけではなく、ご本人と一体化していることに価値があると思いました。
ここまでないと、経験を積んだ組織長たちには響かないのです。
先述の3点で、若林さんには信頼感がありました。
デモンストレーションをうけて
プロスタンダード社の印象
― 河崎様が、やり取りを通じて得た、プロスタンダート社や若林代表の印象はどのようなものでしたか?
今回、伊藤忠の組織長向けの研修ということで、要求レベルが高い、とてもプレッシャーのかかる仕事であることを説明させていただきましたし、若林さん自身も、これを成功させるためにどうすれば良いのか、とても悩まれたと思います。
一方で、我々も組織長に対して、どのような研修をすれば成功するのかと、プレッシャーを感じていました。
このような中で、若林様からは、プログラムをより良いものにしようと、職場の状況について色々なご質問を頂くわけです。
しかし、伊藤忠は総合商社というビジネス上の特性もあり、各職場の仕事の進め方は多様であり、各組織長たちが抱える組織運営上の問題や悩みを一辺倒にはお答えできないのです。
ですので、若林様とのコミュニケーションの中で、明確に一つの回答を導けないようなご質問には、そのことを若林様に伝え、お互いに仮説を立てて投げかけていました。
通常は研修の設計段階では、現状の問題点を分析しますが、分析にはある程度のファクトが必要です。しかしながら、業務効率化については、そのファクトがあまりない状態からのスタートでした。
唯一あったのは、伊藤忠商事が実施しているエンゲージメントサーベイというもので、相対的にエンゲージメントレベルは高いのですが、その中でも「無駄と感じる会議や資料の有無」の項目については比較的満足度が低く、そのデータを拠り所にしながら、どういった内容の研修に意義があるのか、また喜ばれるのか考えました。
それと同時に、プロスタンダート様が持っているノウハウや理論などを出してもらいながら、それは伊藤忠に合う、合わないという論議を徹底的にさせてもらい、一つ一つ、言葉の使い方含めて、社員に伝わるか伝わらないかを細かく、若林さんと個別の作りこみを納得するまでできたと思います。
若林さんとともに、最高のものを作らなければいけない、と心底思っていましたので、それだけの心構えで臨みました。
研修中の受講者の様子
― 研修中の受講者の様子はいかがでしたか。
今回の研修は、伊藤忠商事が毎年組織長向けに実施している組織長ワークショップという講習型の研修の一環として実施しました。
最初に人事・総務部長代行があいさつをし、この研修の背景や目的を伝えたところから、若林様に登壇頂きましたので、とても良い入り方ができたと思います。
実際に受講者の様子としても若林様のお話に引き込まれているようでした。
そして、聴講一辺倒にならないよう、受講者同士で意見交換があったり、受け身だけで終わらないようにしていました。
そういう意味では、内容をきちんと準備したので、期待以上に十分組織長を惹きつけることができたのではないかと思いました。
プロスタンダード若林の感想
プロスタンダード代表、若林が研修を行った感想
私も、様々な立場の組織長がいらっしゃるとお聞きしていました。
その中でも、河崎様と同様の感想で、前向きにとらえて聞いてくださったと言う印象を感じました。
朝型勤務で時間は限られている、でも成果を犠牲にする訳にはいかない、この難しい状況下で何ができるのだろう・・・
と各組織長の方が問題意識を高くお持ちなのだということが伝わってきました。
研修後の評価
― 『業務効率化研修』を受講してみての、河崎様や他の皆さまの感想を教えてください。
研修の評価は、受講者アンケートによるレビューをしています。
定量的な評価として、満足度の平均値は5点満点中4点でした。
業務効率化は全社的な課題で、各組織がそれぞれ取り組んでいますので、今回の研修では、受講者が部署に戻ってすぐに使えるようなアイデアをどれだけ持ち帰れるかが評価の分かれ目になると思っていました。
「そんなこと研修で言われなくてもわかってる」とか「忙しいのに研修を受けさせることが業務効率を妨げる」などの厳しい評価が出るのでは、という不安も無きにしも非ずでしたが、普段評価の厳しい組織長を相手に4点をとれたのは私としては期待以上のものでした。
アンケートのフリーコメントでは、「60分でコンパクトにまとまっていたのが良かった」「プログラムの内容についても、新しい気づきがあった」「ほかの所属長との意見交換が参考になった」など、我々の狙いと合っていて、十分に価値を提供することができたなと感じました。
このプログラムは、60分間という非常に限られた時間で、400名以上の組織長から一定量の満足度を担保しなければなりませんでした。
伊藤忠商事では、営業組織は6つのカンパニーに分かれており、各部・各課のそれぞれが違うスタイルのビジネスをしています。
その中で、最大公約数的に満足度の得られるプログラムをする必要がありましたが、その後、一部の組織長が、この研修で学んだ内容を各組織で更に深堀できるのではないか、など個別最適を追求し、発展させようとする動きがあると後で耳にしたときはとても嬉しく思いました。
ご担当者としての満足度
― 河崎様がご担当者として、感じられた満足度はいかがですか?
大変満足しています。
周りからも、業務効率化の研修は難しいという認識がある中、先ほどのデモンストレーションの話でもありましたが、営業部門の人事担当者なども巻き込み、建設的なアドバイスをもらったりできたことが大きかったと思います。
そういった、上司や先輩の支えもあって、若林さんにも徹底的に議論に付き合っていただけたので、最初から難易度が高いとみられていたプロジェクトを満足な形で着地できました。
今回の研修は、終わるまで満足度が読みにくいものだったので、その分、緊張感が高いものでもありました。ただ、初回の大阪会場での開催を大きな問題無く乗り越えるこができたときは、達成感と、少しホッとした部分がありました。
先輩ユーザーからのアドバイス
― 先輩ユーザーとして、プロスタンダート社のサービスを受けるにあたってのアドバイスをお願いします。
今回の研修は、プロスタンダート様の若林様との徹底的なコミュニケーションが成功の要因でした。
プロスタンダート様は、若さゆえにポテンシャルと柔軟性のある会社だと思いますので、長くパートナー関係を築いていこうと思うならば、リクエストすること、言いたいことをどんどん伝えて形にしていくことが大事だと思います。
こちらのことを分かってもらいたいですし、仮に最初は見解に相違があっても若林様は快く話し合いに応じてくださり、合意するまで粘り強く対応してくださいます。
そして、結果、このような素晴らしい研修をすることができました。
なんでもリクエストに応えてくれる会社ですし、わからないことは一緒に考えてくれます。しっかりこちらの要望を伝えていけば素晴らしいアウトプットに仕上がっていくのではないでしょうか。
プロスタンダード若林の感想
プロスタンダード代表、若林が研修を行った感想
河崎様のお話にあったように、今回は準備までの期間が短い中でも絶対に失敗できないプレッシャーがありました。このような状況でお仕事を依頼いただく訳ですから、何が何でも最高のアウトプットを出したいという想いがありました。ただ、弊社だけでは最高のアウトプットを出すことは難しい。河崎様にスピーディーに社内全体の要望をおまとめいただき、何度もやりとりをさせていただくことで実現できました。何より、河崎様の「絶対に成功させなければ」という気持ちもひしひしと伝わってきましたので、うまく要因は全て揃っていたように感じます。研修会社をうまく活用いただいた好事例なのではないでしょうか。